家庭で消費されるエネルギーのうち、熱に変換されるものが全体の6~7割に上ると言われています。
給湯、冷暖房、冷蔵等が代表選手です。
これらはエネルギーの利用形態としては極めて次元が低く(熱に変えるだけだから)、如何に効率を上げるかが課題となっています。
近年、熱変換効率の良いヒートポンプ式が注目されていますが、これは外気から潜熱を回収して、なんと投入した電気エネルギーの最大4倍の熱エネルギーを得ることができるそうです(これをCOP=4という)。
どうですか。まったく判りませんね。
例えば、電力を得るための発電効率を仮に40%、送電ロスが10%とすると、家庭に電気が辿り着いた時点で投入エネルギーの30%しか利用できないのです。
しかし、ヒートポンプでは投入エネルギーの4倍の熱エネルギーを得ることができるので0.3×4=1.2倍のエネルギーを利用できる訳です。
ガス等の燃焼式湯沸し機と比べると1.5~2倍の高効率ということのようです。最近ではエアコンはもとより、湯沸し機や洗濯乾燥機にも利用されるようになって来ましたね。
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我が家の冷暖房設備はほぼエアコンのみ。
但し運転方法が少し変わってるんじゃないかと思います。
高気密高断熱住宅は、断熱材に覆われた躯体内部の蓄熱量が多いため、家全体が一旦暖まる(冷える)とその効果が永く続きます。
魔法瓶をイメージして頂ければ判り易いかと。
裏を返せば、夏場に暖まってしまうとエアコンをガンガンかけないとなかなか冷えない(冬はその逆ですね)という点に注意が必要です。
我が家はこの点を考慮して夏と冬はエアコンを付けっ放しにしてます。
過去に、暑くなったらエアコンを入れ、ある程度涼しくなったら消す場合と、一日中付けっ放しにする場合との電気代を年単位で比べてみましたが、殆ど変わらないか付けっ放しにする方が電気代が安くつきました。
一般的にエアコンはONにすると最大運転で一気に冷やし(暖め)、設定した室温に近づくと徐々に風量を落として巡航運転に移行する訳ですが、最大運転時に極めて大きな電力を要します。
車でいうと急加速状態ですね。
エコドライブでも同じことが言えますが、一定速度でちんたら流すのと、周りの交通の流れをリードして加減速を繰り返すのとどちらが燃費向上に寄与するのかを考えると自ずと答えは出ますよね。
但し、これも車と同じで排気量がある程度大きな車(エアコンで言うと定格能力が高いもの)でゆるゆると余裕を持って流すのが一番良く、小排気量車では勢いアクセル開度が大きくなってしまい結果として燃費悪化につながります。
しかも、一定速度で巡航している状態では燃料消費を節約するために6気筒エンジンの内を3つのシリンダーを停止して3気筒状態で運転するなどの更なる燃費向上技術が盛り込まれていれば尚良し。
エアコンで言うと、最低運転時の消費電力が低ければ低いほど良いです。
この点は見落としがちなのでエアコンを購入する際は注意してみては如何でしょうか?
結論は、家(部屋)の大きさに応じた定格能力を有し、且つ、最低運転時の消費電力が低いエアコンを適材適所に配置してちんたら運転させるのがベスト。